今だから語れる。ディフェンダー110の大救出劇の一部始終。
4か月の月日を経て無事帰還してきたわがディフェンダー110ですが、
このアクシデントでの救出がじつはかなりの大仕事になってしまったのです。
それはなぜかというと、
1.現場は7月の長雨でかなり地盤が悪く救出車そのものが入れない可能性あり。
2.ディフェンダーはラダーフレーム構造でかなりの重量がある。
3.うまく引き戻さないと側溝側にひっくり返る危険性がある。
最初に依頼したJAFがやってきたのですが、現場をみた作業員さんが、これはレッカーでは引き上げられませんと、悲しいご宣託を受けます。
引き上げる方法はクレーンによる吊り上げしかないとのことでしたが、幸いにも保険にクレーン特約があったので、代理店経由で出動要請をしてもらいました。
JAFの到着からさらに30分後、日も暮れたころ、やって来たのは2.5トンのクレーン車でした。
さっそく前側のフックにハンドウインチを取付け農道側に引きながら、クレーンで前方を引き上げて前輪を農道まで戻そうと作業を開始します。
そこまで引き上げた段階で、この配置だと車両後部が自重があるので引き上げられず、バランスを失うと転倒する危険性があるということになり、作業員さんが電話連絡して、後部を吊り上げられる4トンクレーンを手配していただきました。
幸い夜間だったので、1台しかない4トンクレーンが作業終了で戻ってきているとのこと。
しかし、問題はぬかるんだ現場に4トンもの重量のあるクレーンが入れられるかを心配する作業員さん。現場手前まで来た4トンの作業員さんとルートをしばし検討。その結果、現在のクレーンと反対側の農道からなら、アプローチする広さがあるのでなんとかなるだろうということ。
すっかり真っ暗になった現場にもう一台の4トンクレーンがやってきました。クレーンの先にタイヤ左右に固定して吊り上げる天秤のような機材を吊り上げていきます。
後部車輪をロープで結んで上から吊り上げる場合、最悪、ロープでボディを損傷させる場合があるとのことで、凹んだ場合、修理代の請求はしませんとの承諾書へのサインを求められました。
その後、前方クレーンはテンションを掛け、後方のクレーンで吊り上げていきます。
私のディフェンダーにはルーフラックが付いていて、そこがうまくボディを保護してくれ、上部は凹まずに済みました。
しかし倒れた側のオーバーフェンダーはロープに押され大きく歪んでいます。
クレーン2台がかりの大仕事で、ついに農道まで戻すことができました。すでに時計は10時近くになっていました。
こうして2名のクレーンと作業員さんのおかげで農道まで戻ったディフェンダー。自走は可能なので牽引は不要でした。
作業を終え、撤収のためバックで引き返す途中、今度はクレーンが側溝に横滑りしてしまい、動けなくなりました。そこで私の畑に敷いている板を滑る道に置いて、ゆっくりと農道を抜け出しました。
たいへんな作業を行っていただいた作業員さんにお礼を言って、自宅に戻ったのは夜遅い時間でした。とまあ、こんな大仕事になったわけです。
しかし、その翌日から、わがディフェンダーの長い長い修理入院が始まったのです。