雨の日は読書、「女のいない男たち」村上春樹の短編小説を読む
この週末は雨が降り続いているので、駅の書店の店頭で
タイトルに目が止まった、村上春樹の短編集「女のいない
男たち」を買ってきました。
「1Q84」、「色彩~」など近年の長編を読みましたが、
正直、うまく咀嚼できずに終わっていました。
さて、「女のいない男たち」というから、女性に縁の無い
男たちを描いているのかと思いきや、妻や恋人から裏
切られた(去って行った)男たちの内面を描いた6篇の
短編集でした。
ざっと、それぞれの内容を備忘録として書いておきます。
(ニュアンスが違っていたらすいません)
【ドライブ・マイ・カー】 個人的おすすめ度 ◎
臨時に採用したみさきという若いドライバーと亡くした
妻とのこと、妻の不倫相手の男性について車中で語る
というお話し。
蛇足ですが、黄色のサーブを乗り続けている主人公
にまず好感。車中というシュチュエーションも好きです。
【イエスタデイ】 個人的おすすめ度 ◎
生まれも育ちも都内なのにあえてカンペキな関西弁を
マスターした木樽(浪人生)とバイトで知り合った大学生、
そして木樽の彼女を巡るお話し。
【独立器官】
付き合う女性は多いが、本気で女を好きになることの
なかった美容整形医が、初めて真剣にある女性を好き
になったが、その女性の嘘に翻弄され、ついには命を
落としてしまうお話し。
春樹氏曰く「すべての女性には、嘘をつくための特別
な独立器官のようなものが生まれつき具わっている」
その内容は読んでみてください。そうかもしれませんね。
【シェエラザード】
ハウスで閉じ込められている主人公に、世話をする
女性から、高校時代の偏愛のような話しを聞くお話し。
【木野】 個人的おすすめ度 ◎
妻と同僚の浮気現場を目撃したことから、離婚し、
会社も辞め、バーを開く。そこに訪れる謎の常連
客と織りなすお話し。
最後の展開でなにか起きるのかとドキドキしてしまい
ました。この短編をもっと膨らませて中編小説にでも
してほしいものです。
【女のいない男たち】
元恋人が自殺したことを彼女の夫から知らされた男
のお話し。
せっかく今日の楽しみにしていたのに、昨晩、あっと
いう間に読み切ってしまいました。