「もう年はとれない」87歳のヒーローがかっこいいですよ

書評がよかったのと、なにより、タイトルが気に入って

読んでみました。

ダニエル・フリードマン『もう年はとれない』(創元推理文庫

高齢のタフガイですが、ストーリーよりもこのキャラクター

が光っていました。

ざっとストーリーは、

ある日、主人公バックは、臨終を迎えたかつての戦友ジム・

ウォレスから、とんでもない告白をされる。

かつて捕虜収容所でバックを痛めつけ、ユダヤ人を虐待

したナチの親衛隊員、ハインリヒ・ジーグラーが生きている

というのである。当時憲兵だったウォレスは、ジーグラー

から金ののべ棒を貰って見逃した。そのジーグラーをアメ

リカ国内で見たのだという。

ウォレスの死後、バックの周囲はにわかに騒がしくなる。

ジーグラーはナチの略奪財宝を持って逃亡していた。

バックがそれを奪回に行くのだと思い込んだ連中が彼の

周囲に群がり始め、穏やかな日々が送れなくなる。

ナチの逃亡者を見過ごしにするわけにもいかず、地元の

警察やイスラエルの当局にも連絡をとったバックだったが、

老いぼれと侮られたのか、思うようには動いてもらえない。

そうこうするうちに関係者の一人が殺害される事件が起き、

バックはやむなく重い腰を上げることになる。