なんだか小難しそうな曾野綾子さんの「本物の「大人」になるヒント」
を読んでみました。
自立した人間として生きるため、親や教師も教えず、忘れられ、失わ
れつつある基本的な心がけを身につける人生のヒントが語られてい
るとのことでしたが、そのなかでも、このフレーズには、なるほどと思
いました。
「どんなひとにも感情の捌け口が必要である」
人間の感情もまた下水と同じで、必ず出口を作ってやらないと
溜まって所ならない所から溢れ出す。
子どもを叱る場合は、父親、そして母親が同時に叱ってはいけない
ということを、誰からかしら教えられ実践してきたことの本質なので
しょうね。
「友達でさえ、自分とは全く違う個性の人である」
人とつき合うことについて、私もまた、若い時には大きな幻想を
持っていた。それは、趣味から物の考え方まで、何もかも同じ
になれる友達というものがいる、と信じていたことである。
私は今、常識的な意味では、心からつき合える人、実に気の合
う友達を持っている。しかし、それは決して、相手が私と全く同じ
人生観を持っている、というこでもなく、趣味が完全に一致して
いるということでもない。むしろ友人となり、適切な人間関係を
持ち得るということことは、いかに親しい友人であっても、生来、
全く違う個性のもとに生まれついているというこに厳しい認識を
持ち、その違いを許容し得る、というところから始まるのである。
「人間は同じ程度の立派なことと、ろくでもないことをする」
「人間関係は誤解の上に安定する」
「死にものぐるいで隠さねばならぬ恥などない」
「あらゆることには二面性がある」
「勝ち気さは狭量で幼稚な人を作る」
「弱点をたんたんと言えないうちは未熟である」
「知ったかぶりよりは、むしろ知らない方がいい」
これで、私も本物の「大人」になれるでしょうか、なれないかな。