自分の人生の終焉に向けて、あれこれ準備する父親の姿を、娘が
ビデオドキュメンタリーにして公開する、という内容にすごく興味を
持ったので、先週鑑賞してきました。
映画館では、お年寄りばかりかと予想していましたが、意外に若い
ひともぽつぽつおられて、びっくりしました。
ヤフー映画での評価が4.42と高いのに、上映している劇場が少
ないのが難点でしょうか。
内容としては、
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高度経済成長期に熱血営業マンとして駆け抜けたサラリーマンが、
定年退職後間もなく、末期ガンの宣告を受けるが、病と真正面から
向き合い、最期の日まで前向きに生きる姿を娘の目線で伝えたもの。
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予告編がありましたので載せておきます。
重いテーマにしては、父に扮した娘のからっとしたナレーションに
よって、自身の「終活」を行う父親を、冷静に、かつユーモラスに
描いておられました。
さて、わたしなりの感想なんですけど、、
1.このフィルムは、親族や関係者などを集めた追悼の会などで上映
するのがいちばん相応しいのではないかと感じました。
①砂田さんの「エンディングノート」というのは、他人の目線から
みれば「ハッピーエンディングノート」だよなあということ。
②ひとの終焉は、それぞれ千差万別であって、必ずしもこれが
正解というべきものはないわけです。
③いよいよ終焉というシーンに、この人の人生はステキだったんだ
なあと感じました。(ネタばれ)
「愛してるよ」「わたしもいっしょに逝きたい」とだけノートに書いて
おけばいいんじゃないかと・・・。
2.「エンディングノート」は、できれば元気なシニア(一般的には
老いてなくなるが常道)のうちに書いておいたほうがよさそう
だということでしょうか。
(これが、なかなかできないことではありますが・・・)
①私は砂田さんのように、突然、自分の終焉を知ったときは、死に
対して、かくも冷静にユーモラスに向き合えないだろうと思うか
らです。
②また、ひとの終焉というのは3.11のように突然訪れるもので
もあるからです。
だかといって、若い時に書いたりしませんよねえ、自殺するんじゃ
ね?って要らぬ心配されてしまいそうですし。(笑)
3.がん告知の現場は、闘病、看護は、こんななまやさしいもんじゃない
んだよなあと感じました。
だからこそ娘さん(監督)はそこを重苦しくしないようよく配慮され
たものだと感心したわけです。
4.砂田さんくらいに自分の始末をつけるかたは少数派でしょうから、
家族側でも「エンディングノート(心構え編)」が必要かもです。
①闘病に向き合うには、患者以上にメンタル面も含めた心構えが
必要だからです。
②(考えたくもないですけど)逝く側も送る側でも、最低限、困らな
いように取り決めしておいたほうがいいです、が・・。
"終焉(死)"というものを意識できるのは人間だけなんだそうです。
若い人からシニアまで、"自分もいつか必ず死ぬ"と漠然とは認識
しています。
しかし、"いつか" ってのは、"未来"のことで、これこそ、
"先送りの見本"のような気がします。