いまでは、若者がクルマそのものに興味を示さなくなっているとのこと
ですが、現在のおじさんたちは、それぞれ好きなクルマのジャンルこそ
違え、クルマに大きな魅力を感じていたのです。
かつて同じクルマを4台に渡って乗っていた、国産クロカン四駆の雄、
トヨタランドクルーザーを通して、私のクロカン四駆遍歴を振り返りながら
クロカン四駆の変遷を語ってみたいと思います。
【1990年半ば~1990年末】
ランクル60系 販売期間 1980年~1989年
この年代より前のモデルですが、丸目と角4灯モデルとも中古でやっと
手に入る値段に落ちてきたので、これを購入して改造するひとも多かった
ように思います。
個人的にはとても好きなクルマで、友人が所有していたクルマに乗り込み
シートの横にあるデフロックを引くと、まさに陸の王者となり、オフロードを
どこまでも連れていってくれました。ランクルにあこがれるきっかけになった
のがこの60でした。
ランクル70系 販売期間 1984年~
たしか、1994年頃でしょうか、それまで乗り続けてきたパジェロから、ラン
クル77というロングボディのランクルが私のランクルライフの始まりでした。
このクルマにキャンプ道具を載せて、オートキャンプにでかけていました。
そういえば、このころがオートキャンプブームも全盛期だったように思います。
ランクル80系 販売期間 1989年~1998年
クロカン四駆の黎明期を牽引してきたのが、三菱パジェロだとすると、19
90年代に、クロカン四駆全盛期の一翼を担ったのは、間違いなくこのラン
クル80でしょう。
当時のクロカン四駆は、現在のSUVと比べて大きく様相が異なっていま
した。リフトアップしたボディに、大口径のタイヤを履き、グリルガードにフ
ォグランプを取付け、ルーフラック、リアラダーを取り付けるという改造を
行うというのがトレンドでありました。
私も当時、このクルマに魅せられ、77から多少(というかかなり)無理な
ローンを組んでまで、リフトアップ仕様のランクルを購入したものです。
このクルマはクロカン四駆の優等生ともいうべきクルマでして、なにをや
らしてもそつが無い、そんなクルマでした。
そして、さらにブレーキの効きが悪い前期モデルから、改良の図れた後期
モデルに乗り換えました。いまから考えるに、この頃がクロカン四駆の絶頂
期だったように思えます。
まとめてみると、当時のクロカン四駆の魅力は、
○(単純ですが)でかいクルマへのあこがれ
○よく伸びる足周りによる走破性
○粘り強いディーゼルエンジン
○軽油での維持費の低さ
○地上高からくる見切りのよさ
○なんでも積める収納力
だったように思います。
ながらくランクル一筋に乗り続けてきた私も、一瞬ではありますが、ラン
クルライフが途切れました。それは、1998年に販売の始まったディフェ
ンダー90のマニアコレクションともいうべき、新古車と出会ったからなの
です。しかし、このクルマと過ごした日々はわずかで終わりを迎えました。
【2000年初頭~後半】
クロカン四駆がこの世の春を謳歌していた2000年の初頭、まさに
悪夢のような事態が発生しました。
それは、2003年施行された自動車NOx・PM法というディーゼル
規制という名の大氷河期の到来です。
それまでディーゼルエンジンが常識とされてきたクロカン四駆たちは、
まさにマンモスのごとく、つぎつぎに規制地域で絶滅※していきました。
※正確には、規制地域外に移住したり、多くは海外に売られていった
ようです。
このディーゼル規制と呼応するかのように、時代のニーズに合わせて
クロカン四駆は、一気に様変わりを始めていきます。メーカーは、クロ
カン四駆の無骨なフォルムを流線型に変え、電子制御系装備を充実
させました。このため、ユーザー自身でクルマをいじって楽しむことが
めっきり減ってしまいました。
あえなくディフェンダー手放すこととなってから、再びランクルに戻って
きた私も、ディーゼル規制を踏まえ、ランクル80のガソリン仕様を探し
て乗り換えました。よもやガソリン四駆に乗るなど考えだにしてません
でした。
ランクル100 販売期間 1998年~2007年
ランクル80のガソリンエンジンに乗り継いだ私も、時代のキブンから
クロカン四駆熱が急速に冷めていき、少々中古市場で価格が落ちて
きた高級SUVランクル100に、ついに乗り換えたのです。ランクルラ
イフとしては続くものの、この時点で、私のクロカン四駆ライフは終焉
を迎えたように思えます。
それなぜか?、セルシオを四駆にしたような高級SUVランクル100の
静寂さと乗り心地に魅了されてしまったからです。
硬派でいた私も、四駆は四駆だし、正統ランクルだし、もうそろそろこん
な路線でもいいんじゃなかと。
ランクル100 こちらは後期モデル
その後、ランクルはさらに高級SUV志向を極めるがごとく、ランクル200
を発売します。
ランクル200 2007年~
このあたりにくると、クロカン四駆熱もすっかり冷めてしまっており、もっと
ダウンサイズのクルマに志向が移っていきます。
それから、しばらく某欧州車にうつつを抜かす日々が続くのです。(笑)
※備考 私が考えるクロカン四駆とSUVの違い
現在では、SUVなどと呼ばれていますが、ネットでとなたかが
語られていたのですが、まさに私もまったく同感です。
クロカン四駆
ラダーフレームにリジットサス構成
イメージ的には「ジープ、ワイルド」
SUV(Sport Utility Vehicle)
モノコックフレームに四独サス構成
イメージ的には「快適、高級、多目的車」