事故にならないだけ。危険がいっぱいの登山者を目撃する

今回、ゴールデンウィーク瑞牆山を登山してきて

いちばん感じたことを書いておきます。

ゴールデンウィーク瑞牆山は、ぱっと見、雪はあり

ませんが、至る所で登山道が凍結しており、アイゼン

なしではたいへん危険です。

瑞牆山に登る最短ルートで人気の登山道の様子

そこで目にしたのは、アイゼンを持たずに登りや下りの

凍結場所で難儀して、渋滞を引き起こしている人が

けっこういたこと。

とくに私が目撃した頂上付近の最後の岩場の登りは

凍結しており、足の取付き部(凍結のない岩場の突起

など)がなく、足場がおぼつかない状態で、取り付けて

ある鎖を使い腕力で登ろうとする人でした。

どうもファミリーで同行した高校生のようでしたが、

見れば、ホームセンターで買ったみたいな登山靴。

これじゃグリップが効きません。

あまりに見ておれないので、私は鎖のない凍結路を

アイゼンで登り、引っ張ってあげました。

じつはここ数年悩んでいた冬装備(ブログに書きま

したね)をひととおり用意しての山行だったのです。

さすがに人気の山、あとからあとからじゃんじゃん山頂に

登ってこられます。記念写真を撮るのも難儀しそうです。

あの高校生のことが気になったけど、親御さんとかだれ

か助けてくれるだろう。

とにかく一刻もやはく下山しないと大渋滞になりそう

なので、頂上でいくつか写真を撮ってすぐ下山を開始

ました。それでも人気コースの下山ルートだから渋滞

しました。

じつは人気の山にもかかわらず、頂上までだれ一人として

会わないルートで頂上に立ち、とても満足するはずでし

たが、そこで見た実情になんだかなあという思いだけが

残ってしまいました。

毎年、ゴールデンウィークには山の事故が報道されますが、

事故にならないだけで、事故の一歩手前というのは、登山

ブームのなか、いっぱいあるわけです。

この時期の2000m超の関東周辺の登山は、上の写真の

ような冬山ではないけど、じつは冬山装備必須だったり

するので、微妙なんですよねえ。

追記:

自慢話と取られるのはいやなので、備考に書いておきます。

私の今回登ったルートで人に出会わないかったのは訳が

ありました。それは、そこが冬山だから。

トレース(先行した登山者の足跡)と木立の赤テープを

目印に、木立のなかを地図とGPS(頼もしい味方)を

頼りに進みます。

12本爪のアイゼンが早朝でよく効いたからいいものの、

午後になるとずぶずぶに踏み抜いてしまうかもしれません。

また厳冬期にいけば、ラッセル必須ですから危険です。

久しぶりに感じる靴の重さ、それと思うように進めない

もどかしさ、ルートは合っているけどこんな感じです。

いやー、春山をなめてはいけない。単独行で無事に帰れた

私に、、このことをよ~く、言い聞かせておきました。

追記:5月13日

今年のゴールデンウィーク期間中(4月26日~5月6日)の

全国の山岳遭難件数と遭難者数が155件・201人で、

記録のある2005年以降で最多だったと警視庁から発表

がありました。

死者22人のうち、15人が滑落だったそうですから、春山

って凍結箇所で滑落すると非常に危険なんですね。