むかしむかし極東のあるところに、水爆飼いの独裁者がいました。
独裁者は、まわりの村に向かって、大きな声で「ミサイルが届くぞ! ミサイルが届くぞ!」と叫びました。
独裁者は村人たちが大慌てする様子をみて、笑い転げていました。
村人たちは独裁者の悪ふざけに、村の集まりでこっぴどく叱りますが、懲りずに爆竹を鳴らしたり、花火を飛ばして騒ぐを繰り返します。
それから独裁者はこんどは本当に「ミサイルが届くぞ! ミサイルが届くぞ!」とだましました。しかし、もう村人たちは大慌てしなくなりました。
ある日のこと、独裁者が水爆の世話をしていると、ほんとうのミサイルの群れがやってきたのです。
独裁者は必死になって助けを求めますが、村人たちは独裁者の言うことを聞いてくれませんでした。
とうとうミサイルの群れは独裁者と水爆を襲い始め、村人たちが気づいた時には、跡形もなくなっていました。