NHKスペシャル「激動の世界」を観た感想など

いまの世界情勢を俯瞰してみることのできる、NHK

スペシャル「激動の世界」、の第3回を観終えたので、

その感想などを残しておきます。

gekido no sekai

まずは3回に渡る番組の構成をNHKの報道資料を

見ながら自分ながらに書いてみます。

第1回は、国境をなくして自由な共同体を作るため生ま

れたEUが、いま、かつてない試練をむかえている。

そもそも共同体を作るといっても、その国々によって、

国情があるわけで、ギリシャの財政危機を尻拭いに

よって生まれた不満。そして、シリアの混乱から流入

する難民の受け入れとテロへの不安から、それぞれ

の国で台頭するナショナリズム。まあ、そうなるよなあ

と納得しました。

gekido no sekai1

第2回は、EUの拡大によりロシアのすぐ隣まで

NATOの進出を許したロシアが、これまでの欧米

協調路線から決別しクリミア併合、そしてシリアへ

介入している。

この行動は取りも直さず、アメリカの力の空白が

招いた(隙を突いた)ものなんだそうです。

ロシアのいう、アメリカ式の価値観ですべてをまと

めようとすることに問題があるという主張、これは

以前からあったものだけど、力の空白を物語るもの

だと思いました。

gekido no sekai2

そして第3回では、出口の見えないテロとの戦いで

多くの犠牲と戦費増になった反省から、直接手出し

するのを止めたアメリカ。

gekido no sekai3

「世界の警察官」の看板を下ろしたものだから、当然

アメリカによって形作られてきた世界秩序は崩れて

いるわけです。

真の問題は、直接手出しすれば、世界最強の軍事力で

相手を倒せても、その先のビジョンが見えないという

こと

インターネットを通じて拡散される過激な思想とそれに

共鳴する若者たち。この流れを食い止めるためにITを

活用した戦略で対抗しようとしている姿を追っていました。

これからの世界は、力を持つ3つのグループで形付け

られるという識者のコメント。

1.いまも世界一の富と軍事力を誇るアメリカ

2.いつでも海外派兵のできる軍隊を持つロシア

3.経済力と近代化する軍事力をもつ中国

いずれにせよ、まずは、アメリカがどんな未来を描く

のか、それがキーになるのは間違いないようです。