「下町ロケット」第9話、ドラマ仕立ての妙を感じるの巻き

今話ではあの憎たらしい演技が光るPMEAの審査官滝川のシーンと

スキャンダル写真で罵倒する佃社長のシーンが印象的でしたね。

「なんだ、この前といっしょの顔ぶれじゃないか!」

「だから、万が一の医療事故のとき、あなたがた責任とれないでしょ?」

しかし、本での進行にはこんなシーンはまったくないのです。

では原本では、どうなっていくかをレビューしてみると、

第十章スキャンダルに該当するページですが、そのなかでは

椎名が翌日発売の「週刊ポルト」の見本誌を見て叫ぶシーン

で始まります。

最新鋭人工心臓「コアハート」に重大疑惑

このスキャンダル記事の発売とともに、

1.大学での緊急理事会で第三者による調査委員会の設置

2.サヤマ製作所はスキャンダルで大揺れ、顧問弁護士に対応

  を依頼

3.帝国重工では、データ偽装疑惑のあるサヤマではロケット

バルブの共同開発話も暗礁に乗り上げてしまう可能性あり

すべての取引を凍結、佃製作所に詫びを入れ取引を再開

4.そして、PMEAの審査であの憎たらしい滝川が登場という

  ストーリーでした。

  しかも、高級クラブで貴船と、その横でハメを外す滝川の

  スキャンダル写真で追い込むというシナリオはありません。

  ここはドラマ仕立てなんですよね。

また、今話の終盤にあったサヤマ製作所の椎名と咲間佃、山崎

とのコアハートの設計図に関する直接対決もありません。

でも、ドラマ仕立てとしてはたいへんインパクトがあるし、観て

いて面白い展開ですよね。

本を読んだ視聴者にも、また違う展開なので、本とドラマとで

二度楽しめる内容になっている、そこもまた人気の一因かも

しれません。