燕岳の低体温症事故、快適な山小屋が油断を生むのでは?

年末年始の燕岳といえば、冬場でも人気の山なんですよね。

冬は尾根への取り付きに、4時間の林道歩きが必要ですが、

中房温泉が通年営業しているし、そこから6時間登った稜線

上にある燕山荘は、年末年始は営業しています。

一昨年、私の山の仲間が訪れたこの山荘は、アルプスでも

かなりの人気を誇る営業小屋で、設備や食事などホテル級

の営業小屋です。

なにしろお正月には餅つきも行われるし、お雑煮もでるわ、

オーナーのホルン演奏もあるし・・・。

燕山荘のブログより引用させていただきました。

たしかに天候がよければ、人気の山なのでトレース(登山者

が歩いた跡)がついていたり、ラッセル(雪かき)してくれて

いたりして、案外、楽ちんに登れたりするわけです。

しかし、あくまで、そこは死と隣合わせの「冬山」ですよ。

もし、天候が悪化し、視界が数十mくらいの風雪になったら

もう、計画通りには動けません。ましてや吹雪いたりすると、

とたんにトレースは消え、いま、どこを歩いているのかも

わからなくなります。

そうなっても、そこで停滞などしていられません。だって

停滞は死を意味するわけです。それが冬山というものです。

この山域で感じることというと、稜線まで行ければ、暖かい

小屋が待っているなどという安易さが油断を生んでしま

のではないかと思うのです。

追記:

燕山荘のブログによると、山荘のスタッフに加え、たまたま

居合わせたお医者様などが、懸命な救急処置を行われた

そうですが、残念な結果となった模様です。

改めて、お亡くなりになられた登山者様のご冥福をお祈り

いたします。