あっという間に最終話となったNHKドラマ「ボーダーライン」。
徹平くんがボーダーライン(助けるひとに変わる境界線)を
越えていく成長の過程がとても気持ちのよいドラマでした。
私がこのドラマを観て感じたことは、「きちんと叱れる人の
なかで人は育つ」ということでしょうか。
ある日、火災現場へと出動した救助隊だったが、川端が要救助者
がいると誤認したことから、火所へ入った救助隊。そこに要救護者
はおらず、爆発の危機が迫った陰山は、川端を助けるため、カラ
ビナを外して、川端を助ける。その蔭山が爆風に包まれ重傷を負
ってしまった。怪我を負ったのち勤務に戻った川端は救急指令に
立ちすくみ、出動できなかった。
署長:川端!なんでおまえがここにおるんや!
おまえの隊、出動したはずやろ。
川端:やっぱりだめです・・・、俺。
消防辞めます。
俺のせいなんです。現場で要救助者をみて俺が報告したら、
陰山さん、火所のなかに入って、俺がおらんかったら・・・。
署長:それは違う!
川端:俺がおるから、止めようにも止められへんようになったて。
最初から、俺が消防入らんかったら、景山さんはこんな
ことにはならへんかったんです。
全部、俺の責任なんです。
署長:おまえの責任やと。
ど新米のくせに、なめたことさらすな!!
陰やんはなあ、どうしてもおまえにオレンジ着せとうて
わしに頼みに来よったんや。
もしも、おまえが逃げたら、自分が責任とって消防辞める
ゆうてな、
そんだけ、おまえに期待しとったんじゃ!
おまえ、自分だけが来るんどるなんて思うな!
暑のみんなが苦しんどる。
署長:川端、逃げるな。
この署長の叱咤によって、陰山の思いを知った川端は
いっそう訓練に励み、困難な現場で要救護者を助けて、
入院中の陰山さんにそのことを報告したのでした。
誰でも「怒る」ことはできます。
しかし、本気で人を「叱る」ことができるかどうかは、
「叱る」側に力量が必要です。
相手の成長を願って本気で「叱る」ことのできる、こんな
署長が、今の社会にどれだけいるでしょうか・・・。