ヤフー映画のユーザーレビューで高評価を受ける映画に目が止まりました。
その映画のタイトルは「飛べ!ダコタ」、「飛べ!フェニックス」のパロディの
ようなタイトルですが、終戦直後の新潟県・佐渡島に不時着したイギリス空軍
機の乗組員と佐渡のひとたちとの交流を、実話をもとに映画化したドラマなの
です。
映画化のきっかけは、当時立川にあった連合国の基地からダコタの修理に
向かったイギリス兵がいて、その息子さんが父親の軌跡を辿って佐渡を訪れ
たことが発端とのこと。
これは観に行かねばならぬとさっそく映画館を探します。しかし、上映場所
が少ない、上演回数が少ない、期間が短いと3拍子揃っているので、ご覧に
なってみようというかたは公式サイトで映画館、上映期間を確認してみてく
ださい。 公式サイトは こちら
さて、このドラマの場所は、終戦からまだ五ヶ月しかたっていない昭和二十
イギリス空軍輸送機ダグラスDC-3(通称ダコタ)が上海から東京へ向う
途中、悪天候と機関トラブルのため高千村に不時着したのです。
機内には英空軍司令、英国要人、女性秘書、乗組員の8名が搭乗してい
ました。なお、映画中には女性秘書は出て来ませんでした。
※実は英国要人と女性秘書は迎えがきたようです。ダコタが修理可能で
かつ、滑走路を作れば飛び立てるという目処がたったため残留したという
ものらしいです。
約半年前には鬼畜米英と呼び戦っていたわけで、もちろん島民のなかに
は戦地で家族を殺されたものもいるというのに、追い出したり、危害を
加えることなく、飛行機をいっしょに直して、さらには滑走路まで作って
帰したという奇跡のようだけど、日本人の気質を物語る実話なのです。
村長役の柄本明さんのこのセリフが佐渡のひとたち、いや日本人を語って
います。
「天皇陛下から罪人まで、すべてを受け入れてきた島だ」
「佐渡ん人間(さどもん)は、困っちょる人間がおったら見捨てることはでけん」
大波(ぬたと言っていた?)が来たら飛行機が流されるというので、英軍
乗組員、高千村民総出でダコタを波の来ない浜の上部へ引っ張り上げます。
とにかく、映画館を出たとき、気持ちが明るく、朗らかになる映画
というのも久々の経験でした。
エンドロールで、実話の村長さんやダコタの乗員がダコタを背景に
撮った写真が出て来たところで、ああ、このドラマ、実際にあった
出来事なんだなあということを実感しました。
こちらは映画のもの、当時の写真もこんな構図で撮られていました。
「困ったひとを助けるのは当たり前」、そんな日本はやはりいい国です。
追記:10月20日
こんなよい映画が誰にも知られずにいるのはとても残念でなりません。
「反戦映画」としてもたいへん秀逸な作品だと思います。
※下の動画のほか、主題歌の「ホームシック・ララバイ」の動画も
よかったらどうぞ。 こちら