ディフェンダーV8ガソリンエンジンモデルで、発生するトラブルのなかでも、
走行不能になる「エンスト」について、じつはECU系の配線トラブルもあると
いうことを書いてみようと思います。
先日、エンジン不調で点火系の修理と、合せて定期点検を行い、元気にな
って戻ってきたわがディフェンダーです。
今日のエンジントラブルはイグニッションコイルの故障でしたが、主因は、
ECUへの配線ケーブルの断線でした。
「また、ECUがらみのトラブルか・・・。」
じつは、このクルマを買った当初、悩まされたディフェンダーのエンストに
悩まされていたのです。それもかなり深刻に。
当時のエンストの症状はというと、
------------------------------------------------------------
交差点で右折するため、ハンドルを切った状態で止まっていると、アイド
リングが下がりエンストしそうになるのです。そこで慌ててアクセルを煽
って回避するような症状が現れました。
そこで点検清掃してもらって、この症状は出なくなったものの、
始動して走行に問題ないのですが、目的地に着いた後、再び始動しよう
とすると、かなりの確率でエンジンが吹き上がらずエンストするようになり
ました。
エンストする車両の原因究明は、多岐に渡るのですが、
-------------------------------------------------------------
燃料系・・適切に燃料がエンジンに届いているか?
吸気系・・エアが適量届いているか?
点火系・・発火は適切にできているか?
信号系・・センサーからエンジンの動きを適切にECUに伝えているか?
また、ECUは適切に動作しているか?
-------------------------------------------------------------
吸気系の点検・・・エア量OK(センサーの不良?・・推定無罪)○ディフェンダーV8用エアマスセンサー(ERR5595)
燃料系の点検・・・燃調OK(燃料フィルター交換、燃料ポンプはOK)
○V8用燃料フィルターを念のため交換(ESR4065)
点火系の点検・・・発火OK(弱りぎみだったバッテリを交換)
信号系の点検・・・主因と疑って、以下を交換していただきました。
○ディフェンダーV8用ステッパーモーターを交換(ERR4352)
○ディフェンダーV8用クランクポジションセンサーも交換(ERR6119)
○インマニガスケットの交換、チャンバー内清掃(泣き所でかつ高額)
こちらは過去にアップした記事をご覧下さい こちら
これだけの点検、交換するのにかなり修理費がかかったものの完治したと
安堵していたら、数週間後、また再発したのです。
そこで、ディーラー長期入院で再現テストしたところ、
--------------------------------------------------------------
原因は、センサーからECUへの配線トラブルか、規定値でECUを調整
するとエンストを起こすとのことで、アイドリングの規定値を変えて調整を
行うことで正常になったそうです。
---------------------------------------------------------------
どういうことかというと、たとえば、ハンドルを切ったときパワステの負荷が
掛かると、エンジン回転数を上げて負荷に対応するようECUから信号が
流れ、アイドリングが上がるようになるわけですが、基準調整値(アイドリン
グ値)では足らずにエンストすることがあるんだそうです。
ディフェンダー90のV8用ECUは、たいへん高価なパーツで中古市場にも
まず出回らない入手困難なパーツです。かつ、配線用のハーネスをすべて
交換するのはハーネス代と工賃が高額になるとのこと。
それ以降は、エンストなどのトラブルはまったく発生しなくなりました。
今回の点火系トラブルを修理したのち、ECUを基準値を元に戻して調整
してみたところ、問題が出ていないのでしばらく様子を見てみましょうとの
こと。
ということは、ECUからの配線系統の劣化による接触不良が問題だった
ようです。
発売から10年以上経過したクルマでは、センサーばかりを疑うことなく、
そのセンサーからの配線(ハーネス)まで点検が必要になってくることを
お伝えしておきたいと思います。