昨夜のNHKスペシャルでシリーズで放映している東日本大震災。
今回のテーマは「除染」でした。
政府が乗り出した除染事業ですが、その作業が大幅に遅れている
のだそうです。 今回は、原発事故で地域崩壊の瀬戸際に立たされ
南相馬市は国の指定した計画的避難地域に指定されていない地域
が含まれ、そこでは日々の生活が営まれているそうです。
報道のあった地域の家の周囲の線量は、毎時1.5マイクロシーベルト
(μSv/h)。国の基準である年間被爆限度の1ミリシーベルト(mSv)
に換算すると、毎時0.23マイクロシーベルト(μSv/h)ですから、避難
地域になってもよさそうなもの。でも、避難地域ではないという矛盾。
まず、びっくりしたのが、子どもたちが通う小学校などは除染されて
いるものの、通学路はまだ手つかずのため、父兄のみなさんが毎日
学校まで送り迎えをされている光景でした。こりゃ、たいへんだ。
そして、地域放送では、各地区の線量を毎日読み上げていました。
「○○地区、2.4μSv/h」。一見、平穏な山間の地区なのに・・・。
そしてやっと始まった除染作業ですが、ガイドラインにこだわる環境省。
作ったガイドライン通りに除染しても、思うように線量が下がらない場所
が出てきているそうです。
それは、ガイドラインを作った昨年より、自然環境の変化で放射能の
集まっている場所が変わっているから。
去年は落ち葉だったのが、いまは下の土になっていて、そこまではぎ
取って処理するには、ガイドラインで決めた除染費用1500円/m2では
到底できない。しかも、裏山の枝落としはできるものの、汚染源の森林
の伐採は、ガイドラインに含まれていない。住み続けるために仕方なく、
先祖代々、家を守ってくれた森林を、庭を自らの費用で伐採する住民
のみなさんの苦悩。
さらに除染で発生した放射能物質の廃棄物を保管する場所が、決ま
らない。候補地はあるものの、地域住民の反対で頓挫。
もっと、不安を抱えながら生活されている住民、とくに子どもたちの
立場に立って、現地(現場)の判断(裁量)でできないものでしょうか?
しかし、この除染、以前ブログに書いたのですが、単にそのエリア
だけ除染しても、また、別のところから流れ込んできたら・・・。
住民の思いとは別に、現実には進まない除染。とにかく、果てしなく、
遠い道のり。そして、ますます膨らむ除染費用。
報道ですが、まだまだ現地では苦悩の日々が続いているようです。