結局、単独行、赤岳、文三郎尾根経由の下山は疲れました

結局、単独行となった八ヶ岳主峰、赤岳山行ブログの最終回は、

赤岳から文三郎尾根を経由した下山でのお話しをいたします。

赤岳山頂から横岳方面に急な岩場を下ると、まもなく、狭い岩場の

間に、「中岳・文三郎尾根」の看板が現れます。

shuttlexの備忘録と私的雑感

その先は、こんなガレ場の急な下りとなります。鎖が取り付けて

いなければ、これが登山道?というくらいのガレ場です。

しかし、足下に注意してさえいれば、とくに恐怖を覚えるようなもの

ではありません。

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そして、つづく道は、写真左側のような石、岩のゴロコロしたところ

が、登山道です。急なこの道を下っていきます。けっこう浮き石が

あって、踏んづけるとぐらっと動いてバランスを崩したりしました。

だから、急な下りですがスピードを落とし、浮き石に注意しながら

下るので、けっこう疲れます。

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この道を大きく俯瞰してみたのがこの写真です。右側に赤岳の岩肌を見ながら、

急な登山道を下っていくわけです。

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浮き石に悩まされながら下っていくと、道標が現れます。目の前には、中岳、そして背後に

阿弥陀岳が雄大にそびえています。

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ここをまっすぐに行くと、中岳を経由した阿弥陀岳山頂になります。私は下山のため、美濃戸

方面に進みます。

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この先、でてくるのがこの登山道です。マムートのロゴが付いた

赤い階段を、普通に下っていけばいいわけですが・・・。

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下から見上げてみると、これは階段というよりハードルですよ。

目分量で50cmはあります。高さがあるので、一段一段、立ち

止まって、下りていかなければなりません。これがけっこう苦痛

でした。これが登りだと、高い絶壁のように立ちはだかることで

しょう。右側のゴロゴロ道を直登したほうがよさそうです。

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そして、このルートで多くあるのが、この金網で造られた階段です。

これを連続して下るのですが、ぐらつく箇所があったり、歩幅と合わ

なかったりして難儀しました。

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どうも、私の歩幅と合わないのか、どうにも下山スピードが出ず仕舞い、

とにかく一定のペースを維持できないことが、こんなに疲れることなのか

ということを知りました。

そして、難儀しながら下りていくと、遠くに湧いて出た雲がもくもくと

大きくなり、尾根を越えて赤岳方面に迫ってきました。だんだん天

気が悪化していきそうな予感がしてきました。

今回の登山に当たっては、天候は29日の午前中が勝負と決めて

行動してきたので、その予感が正しかったと確信しました。

※結局、この日は一日中、天候は持ったようです。汗;

shuttlexの備忘録と私的雑感

そんなこんなで、時間がかかった文三郎尾根経由の下山でしたが、ガクガクする脚で

行者小屋に下りてくると、そこにあの先行者が出発し始めようとされていました。

もちろん、今回も行者小屋に長居することなく、そのまま後を追って、もと来た南沢を

下ることにしました。

それは、どうして、そんなに早く下れるのか、彼の奥義を会得してやろうと思ったから

です。

しばらく、後方5mを維持しながら、彼の動きを見ていました。

 ①岩場、平坦地、アップダウン、窪み、などがあっても一定のペースを維持して、

   遅くもなく、早過ぎもせず

 ②トレッキングポールをスキーのポールのように方向維持とバランス維持にうまく

   使っている

 ③登山道のくねくねや、岩を回避するくねくねを見ていると、スキーのカーブのとき

   のような膝の使い方をしている

 ④岩場が続く場所では、ぽんぽんと岩場を飛んでクリアしている

具体的な事例1: 沢づたいの平坦地

直線区間をとばして、方向転換はダブルストックをつかって姿勢を

変え、またスピードを上げていきます。

shuttlexの備忘録と私的雑感

具体的な事例2: ジグザグで岩の突起がある登山道

基本まっすぐはスピードを出す、カーブはストックと腰使いで回る、

そして岩は飛び越えるか、乗り上げて岩伝いにポンポンとクリア。

shuttlexの備忘録と私的雑感

こんなことがわかってきた頃、すでに南沢を半分下っていました。

ずっと後をついていっていたものの、このあたりで膝と足首に痛みを

感じてきた私は、こんなことしていて、ねんざでもしたら元も子もない

し、そろそろ止めにしようとペースを落とし、いつものペースで歩きだ

しました。

すると、そこからこの分岐まで行程約半分が、どえらく長いものに

感じてしまいました。

shuttlexの備忘録と私的雑感

「ほんまに最後まで、あの調子で下山するんやろか?」

「ええとこ見せとるんとちゃうか?」

などと、謎の関西弁でつぶやきながら、美濃戸山荘を過ぎ、クルマ

を駐車している、やまのこ村の駐車場に戻りました。

shuttlexの備忘録と私的雑感

この後、駐車場で、彼に会うことはありませんでした。

私はというと、お昼前に駐車場に戻れたので、非常食に用意して

おいたアルファ米とカップスープを取り出し、ゆっくりお昼ごはんに

しました。やっといつものペースに戻れてほっとした瞬間でした。

そして、早く下りられたのならと、中央道の渋滞を回避すべく足早に

帰路についたのでした。

それでは、3部に渡る、赤岳単独行ブログをご静聴いただきまして、

ありがとうございました。

追記:

ぢつは、この先行登山者のかたとは、赤岳頂上でこの方をお話しを

していたのです。 かなり多くの山を歩かれているようで、今回の赤岳

は台風前の29日午前中が勝負と思って、やってこられたとのこと。

この時点で、このひととは見立てが完全一致しているし、ウマがあう

なあ、いい人だなどと親近感を抱いてしまいました。