結局、単独行、いよいよ核心部、赤岳への登りはヘロヘロでした

昨夜のイモトのマッターホルン登頂を観たあとでは、色褪せてみえ

てしまうのですが、まあ-、所詮、中高年の登山の現実ちゅーもん

は、こんなもんだと思って、ご覧いただければ幸いです。

行者小屋までの南沢の登りをいい感じで進んできた私は、小屋で

水を飲んですぐ、今回の核心部に向うため、地蔵尾根を登り始め

ました。地蔵尾根の取り付きは、急登ではあるものの比較的歩き

やすい道が続きました。 時刻6:50

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そして、いよいよはしごの連続場所に到着したとき、不意に疲れと

空腹を感じてしまいました。そういえば、朝、なにも食べずに出発し、

途中も水しか飲んでいませんでしたので、いわゆる「シャリバテ」と

思われます。ここで初めて行動食の魚肉ソーセージ、スポーツよう

かんを口にいれました。やっと力が湧いてきたので、以降は速攻性

のあるレーズンと甘納豆を時折、口にしながら進みます。

階段は急ですが、慎重に登れば問題なく進めます。

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だいぶ高度を稼いできたところで、前方上部に、あの加藤文太郎

ならぬ風のように登る先導者が視界に入ってきました。

なんとか、差を縮めようと踏ん張るものの、前半のオーバーピッチ

と、シャリバテのガス欠で、連続して脚を踏み出す力がどうにも湧

いてきません。ああ、加藤文太郎が行っちゃうよー。

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このような階段が連続する急登が続き、つぎの階段を見上げたとき、

あの先行者は視界からいなくなってしまいました。涙;

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この急な鎖場をよじのぼってゆけば、地蔵の頭と呼ばれる稜線上に

でるはずです。コースをみるに、若干左側が登りやすそうですが、

かつてコースを外れて登っていたパーティが滑落したそうですから、

鎖場を外さず、足場を確保して慎重に登っていきます。といっても見た

目ほど高度感はなく、足場もあるので問題はありません。

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すると、稜線上に出て赤岳展望荘と、その奥には目標の赤岳が大きく見えてきました。

時刻は7:45、標準のコースタイムよりは短縮できているようです。

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地蔵の頭より硫黄岳方面(左側奥の平らな山)を望んだものです。中央の山は三叉峰です。

左側に小同心、大同心の突起が見えています。

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ここから赤岳展望荘に向けて歩いていたところ、行者小屋で文三郎尾根コースに向われたトレラン

風のあのお兄さんと出会ったのです。この時点で彼は赤岳山頂に登り、そして下ってここまで来た

わけですよ。いやー、まったく世の中にはすごいひとがいるものです。時間8:05

驚嘆しながら歩いているうち、赤岳展望荘に到着しました。ネットの画像でこの風力発電が印象的な

山荘ですが、そもそも風が強い稜線で、この時点でもかなり強い風が吹いているのに、回っていない

のですよ、この発電機は。さらにそのうちの一本は、このように折れて垂れ下がっていました。

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この建物の先に、赤岳展望荘の入り口がありました。左側のアルミのボックスには発電機が

設置され、ブルブルとエンジン音を響かせていました。やっぱり頼りになるのはディーゼルです。

ここで、ドコモの携帯が通話できることを知り、中止を決めたメンバーに電話してみました。

わたし:「いま、赤岳展望荘に居るんだけどね。」

メンバー女子:「??、またー、調子のいいこと言って、私たちも、赤岳に行くことにしたの。(ウソ)」

わたし:「だからさー、ほんとにほんと。昨日、山荘キャンセルしたのを誤っておいたよ。」

メンバー女子:「えっ、ウソー、でもなんでこんな時間なの!?」

わたし:「昨日中止が決まってから、クルマで美濃戸まで来て、夜明け前に登ってきたんだ。」

メンバー女子:「じゃあ、さあ、スマホに画像送って!それ見たら信用してあげる。」

そうだ、ブログをライブで更新するって言ってたし、アップしようかなと思ったものの、先を急ぐ

のでザックから取り出したスマホをまた詰め直しました。

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建物の裏手に入ると風が遮られてほっとしたものの、このまま勢いで赤岳に向って進んでいきます。

しかし、ここから赤岳の登りは、けっこう急登でしんどいものとなりました。

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がれ場の直登ぎみの登山道をゆっくりと確実に進んでいきます。ヘロヘロで休みながらまた歩いて

いくと、やっと一つ目の直登を越えることができました。振り返ると、赤岳展望荘があんなに小さくな

っています。

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続いてつぎの登りを乗り越えると、もう山荘ははるか後方に小さくわからなくなっています。

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そして、ここが赤岳への最後の登りです。朝早かったため、まだ、後方に登山者はなく、登りを譲る

ことなく、止まっては歩きのマイペースを乱されなかったのがなによりでした。

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登り切ると赤岳山頂小屋が現れました。ほんと、よくこんなところに小屋を建てたものだと感心

しきりです。時間8:45、それでも、ほぼコースタイム通りでした。

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赤岳山頂小屋の裏手から赤岳山頂を望んだところです。早朝ですがすでに数名の登山者が

います。手前左側に、あの健脚の先行者が、朝食のパンを食べておられました。

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赤岳山頂(標高2,899m)から、阿弥陀岳(標高2,805m)を見下ろす。約100mくらいの標高差で

これくらいの高度感に違いがでてくるようです。

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一等三角点にタッチして、やっと赤岳登頂が完了できました。時はまだ、8:55です。

美濃戸を5:00に出発して、

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私も岩かげに腰を下ろして、朝ご飯に買っておいたおにぎりセットを食べました。

いや、もう、このおにぎりの美味しいことといったら、もう格別でした。

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さて、2部作といいながら、いつもの長いブログになりましたので、戻りの文三郎尾根での

下山編は、第3部として書いて行こうと思います。

こんなに下るのがへただったのかと、ぶつぶつ言いながらの下山

わき上がる雲を見ながら、午前中の行動でよかったと実感したこと

さらに、あの俊足の先行者の後方5mをキープしての爆速下山、その奥義を垣間見た

などなどは、次回のお楽しみです。