ボディ形状には特段の変化はないものの、2012年度のモデルから、
ディフェンダーには、プジョー・シトロエングループ製のディーゼルエン
ジンが搭載されています。
こちらは2012年モデルのディフェンダー110です。
そして、同じく2012年モデルのディフェンダー90。
外見はイギリス人、中身はフランス人って感じでしょうか?
これまで搭載されていたエンジンは、フォードの2.4リットルディー
ゼルターボでした。(イギリスとアメリカなので同族ですかね)
しかし、今年のバージョンより、プジョー・シトロエングループの2.2
リットルディーゼルターボが搭載されています。
もっとも、他社製のエンジンをランドローバーの車種に合わせて、
チューニングしているそうですから、まったく同一のものとはいえ
ないのですが、ランドローバーにはランドローバー純正のエンジン
という組み合わせは、今後も期待できないでしょう。
ランドローバー社は、世界で唯一の4×4専門メーカーですが、その
オーナーは次々に変わり、レンジローバー、ディスカバリー、フリー
ランダーはプレミアムSUVとしてオーナーの意向を色濃く出してき
ました。
1986年~ ローバー・グループ
1988年~ ブリティッシュ・エアロスペース
1994年~ BMW傘下入り
2000年~ ランドローバーブランドをフォード社に売却
2008年~ ジャガーとランドローバーをタタモーターズに売却
この変遷のなか、BMWにはレンジローバーの技術をX5に持って
いかれ、(MINIはBMWブランドへ)
BMW X5シリーズ
フォード時代に至っては、プレミアムSUVという名の下に、アメリカ的
巨漢主義の洗礼を受け、巨大化、過剰装備化してしまいました。
たとえば、レンジローバーは、スーパーチャージャーや巨大ホイール
を取り付けてみたりと、私が好きだったセカンドレンジからは様変わり
してしまいました。
レンジローバーヴォーグ
たぶん、今後も今回取り上げたエンジンに見られるようなOEM化や
共用パーツ化は続くものと思います。
クルマとて、ひとの使う道具と考えれば、世の中の志向の変化に合わ
せ、生き残りをかけてその時代に合わせていく必要は認めます。
決して悪いことばかりでなく、よい部分もあるのでしょうけど、個人的に
はどうなんだかなあと、ひとり憂いているのです。