昨夜、NHKスペシャル「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」と
いう番組を見ました。
その内容は、「津波が来るかもしれない」という時、人は何を考え、
どう行動し、何が生死を分けるのか。人口5600のうち700人の犠牲
者を出した宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区。地震発生から津波
到達まで1時間以上あったが、何故この地で多くの住民が犠牲に
なったのか?
この地区の住民のみなさんから、丹念に聞き取り調査をした報道
でした。
災害が起きたとき、ひとが陥りやすい心理とはつぎの3つなん
だそうです。
【正常性バイアス】
外界の強烈すぎる刺激に対して、それを心理で抑制して慌てない
ようにしてしまうこと。日常性を維持するためにひとが持っている
メンタル制御の作用で、これ自体は大切な機能なのですが、、
たとえば火事が起きたとき、
火災警報が鳴っても煙が出てきても、「訓練だろう」「誤報だろう」
「どうせ大した事はないだろう」と自分に都合の良い解釈をし、重大
な事態と思わない(思いたくない)精神状態になるそうです。
今回の津波の場合は、
「あの堤防があるから津波はやってこない」とかと思い込んでたい
へんな事態を招いてしまったようです。
【愛他行動】(援助行動)
人間にもともと備わっている、他人を助けようとする行動を心理学(
社会心理学)では、「愛他行動」、もしくは「援助行動」というそうです。
たとえば、
火事が起きてなかに逃げ遅れたひとを、とっさに助けようとする
線路に人が落ちた時に、とっさに飛び降りて助けようとする
これが今回の巨大津波のときは、
・地震で散乱した家財道具を片づけようとしていた
・ご近所のお年寄を避難させようとそちらへ向かった
・津波をご近所や近隣の住民に知らせて避難させようとした
【同調バイアス】
計画では、7mもの防波堤を二重に作るという、相変わらずハード面
を重視した内容とのこと。
私たちは今回の大震災から、次へつながる教訓を学びとらなければ
いけないと最後のナレーションを聞きながら、まさにその通りだよなあ
と思いました。
今回のような緊急事態に、ひとがどう行動するのかを検証して、それ
を防災対策に組み込まない限り、「安全への死角」をなくすことはでき
ないよなあと思いました。
そこで、こんな本でも読んでみようかと思っています。
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