「お盆」って、どうしてお墓参りするのでしょうか?

みなさま、おはようございます。今日はお盆ですよね。

朝からお盆の帰省で高速道路や交通機関は渋滞しているようです。

この「お盆」というと、大多数のひとは「お墓参り」ってのがトレンドで

しょうが、この「お盆」、そして「お墓参り」って行事、どうして始まった

のか、当たり前なことも、改めて考えてみると「なぜ」という疑問がわ

いてきました。

その答えをネットで探したところ、お寺さんや冠婚葬祭業のホーム

ページなどにいくつか情報がありましたので、これをひとつにまとめ

てみました。

では、「お盆」=「お墓参り」の一大イベントのなぜ?についてお話し

していきます。

shuttlexの備忘録と私的雑感

「お盆」は、正式には、盂蘭盆会(うらぼんえ)」というそうです。

この「うらぼんえ」は、仏教が誕生した古代インドのサンスクリット語

「ウラバンナ(逆さ吊り)」を漢字に音写した言葉だとする説があるようで

すが、どうも確定した説でもないようです。

「お盆」=「逆さ吊り」???

しかも、仏教誕生の地、インドには「お盆」にかわる行事もなければ、

経典もないそうです。

「お盆」=「逆さ吊り」=「仏教の地インドにない」???

では、どこで「お盆」という風習が生まれたのでしょうか?

それは「中国」なんだそうです。

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六世紀中頃、中国で「盂蘭盆経」なる経典が作られ、それにちなんだ

行事が行われていたそうです。

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「逆さ吊り」=「お盆」を結びつける教えとは、

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盂蘭盆経の経典に「目連救母」というくだりがあり、「盂蘭盆会(うらぼん

え)」は、お釈迦さまの弟子の一人である目連※が、亡くなった母親(青

提女)が飢えで苦しむ餓鬼道に落ち、逆さに吊るされているのを神通力

で知ったことに始まります。

shuttlexの備忘録と私的雑感

やさしかった母が地獄道に落ち苦しんでいることにおどろいた目連は、

このことをお釈迦さまにお話しして、どうしたら母を救えるのか教えを乞

いました。

すると、お釈迦さまは、目連にどうして母親がこのようなことになったのか

お話しされました。

ある夏の日、目連の家の前を通りかかった人が、目連の母に一杯の水を

恵んでもらえないかと頼みました。

しかし、目蓮の母は水瓶にいっぱい水が入っているのに、一向に恵んで

くれようとはしませんでした。

何度も施しを乞う人に、母親は「この水は目連のための水だからダメ!」

と応えたのでした。

このように目連を溺愛するあまり、施しを忘れ、道理を見失った母親は、

その「おろかさ」を持ってあの世(地獄)に行ってしまったのです。

自分のことを思うあまり地獄道に落ちた母親のことを知るに及び、驚きと

悲しみに打ちひしがれる目連に、お釈迦さまはこうお話しされました。

「過去を取り返すことはできないが、母親のできなかったことをすることは

できる」

「七月十五日は夏の修行が一段落つく日でもあり、人々も町に出てくるの

で、この人たちに母親の出来なかった事をするがよい」

と説かれたそうです。

そこで目連は、お釈迦さまの教えのまま、人びとに百味、百果の食べ物を

用意し、心の施しをしたところ、その功徳(よい行い)によって、母親は極楽

往生がとげられたとのことです。

この教えをもとに(旧暦)7月15日は、父母や御先祖様に感謝をささげ、

供養をつむ重要な日(これが端的にお墓参りという行事)となりました。

日本には「お盆」の風習はいつごろ伝わったのか

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ちなみに、この盂蘭盆会が日本に伝来したのは七世紀のことで、盂蘭盆会

という形では、657年に斉明天皇が行なっているそうです。

その後、貴族や武家などでお盆の行事が行なわれていたそうですが、一般

庶民に定着したのは、江戸時代からだそうです。

幕府が古神道での先祖供養を強いた檀家制度※と、仏教行事「盂蘭盆」が

合体し、現在のお盆の原型ができたとされています。

こうしてざっと情報をたぐり寄せてみると、仏教にはそもそもこのような行事は

なく(偽経※)、江戸幕府の宗教統制政策である檀家制度、さらには寺請制度

というものと結びついて生まれたのが「お盆」という行事のようです。

なお、内容に誤りや不足などありましたら、コメントなどでご教授いただければ、

幸いです。

※ 目連・・お釈迦さまの十大弟子の一人。弟子中で神通第一といわれる。

  彼は神通によって釈迦の説法を邪魔する鬼神や竜を降伏させたり、異端

  者や外道を追放したため、多く恨みをかったこともあり、逆に迫害される事

  も多かったという。

※ 檀家制度・・幕府の宗教統制政策から生まれた寺や僧を援助する制度で、

  家や祖先崇拝の側面を強くもつ。

※ 偽経・・盂蘭盆経は偽の経典とされるものの、インドで作られたものは、お

  釈迦さまの直接の言葉でなくても偽経とはいわないそうです。??