昨夜、四十九日のいわれについて書いたのですが、日本人に
関わりのある仏教においては、輪廻思想、「生まれ変わる」
という根本的な思想に基づくものだということがわかりました。
今回の大震災では、多くのかたが一度に亡くなられ火葬に限
界があることから「やむを得ない措置」として、土葬にされ
ています。今回は仮埋葬であり、2年以内にあらためて火葬
する意向とのこと。
「土葬」なんて、非常事態以外には考えられないですよね。
でも、意外に「火葬」というのは日本の長い歴史のなかでは
日が浅いのです。
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そもそも、亡くなったかたをどう埋葬するかという問題については、
日本文化、民族の根本をなすものです。
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仏教発祥の地、インドではこの輪廻を信じる土壌があるため、
死者の遺体そのものは重大な関心がおかれないようです。
一方、キリスト教文化圏においては、肉の復活の思想を根底に
置くため、遺体は丁重に飾られて、来るべき復活に備えるそう
です。ですから遺体を損傷することはタブーなわけです。
さて、長い日本の歴史のなかでは、埋葬といえば「土葬」が
一般的で、火葬が普及したのは、それほど古いものではなく、
戦後、制定された「墓地・埋葬に関する法律 」」により火葬が
進んだようです。
数値でいうと、昭和40年ころは、火葬の普及率は30%台
であり、いまではほぼ100%までになっているようです。
それにしても、遺体の扱いという点では、土葬と火葬は両極端
に位置するわけで、これが同じの文化の中で共存することは、
通常では考えにくいことですよね。
なぜ、土葬と火葬がともに受け入れられてきたかというお話し
は、またのちほど。