「被災地のために」って節電、最大の謎なんです

東日本大震災は発生した3月11日から先、東日本から

全国にひろがったのが「自粛」と「節電」です。

このなかで、「節電」での最大の謎ってのが、「被災地の

ために」って、フレーズなのです。

大震災発生の翌週からは、関東圏挙げて、

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「節電して、被災地に明かりを灯そう」

「いま被災地のためにできること、それは節電」

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たとえば、ネットに出回っている、こんなポスター。

shuttlexの備忘録と私的雑感

こんなポスターなんかが、ネットや報道なんかで言われ

るようになりました。

私は薄々気づいてはいたのですが、、

これって関東に住むひとでも、どうも誤解しているんじゃ

ないかと思うのです。

そもそも、福島原発で発電された電気っていうのはみーんな

関東圏向けに供給されていた、そのための発電所なわけです。

そこが被災して電気を供給できなくなって、節電しなきゃっ

というのが、ことの真相であって、

例えていうと、

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「不景気で給料が少なくなったから節約しなきゃ」って

いうのが正しい節電の考え方ではないのでしょうか。

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節電やってるのは、被災地のためだっていう論法ってのが、

どう考えてもわからないのです。

関東圏で節電して余った電力を東北に送るというレベルの

問題じゃなくて、自分らで使う絶対量としての電気が足りて

ないわけであって、困るのは私たち関東圏、とくに首都圏の

住民でしょう!

たしかに東北電力管内でも被災した施設があるんでしょうが、

被災地に電気が届かないのは送電設備ごと壊滅したのが

問題なんじゃないでしょうか。

関東で節電して電気を巨大バッテリー施設に貯めて、東北の

被災地で使ってもらうというなら、このフレーズもわかるんで

すけど。

この「節電」、一次的には「自分たちのために」やっているのが、

巡り巡って、被災地に負担をかけないとかにつながるんだって

感じで考えるほうが適切なんじゃないかと思うわけです。

当たり前のように行なっている節電のこと、もうちょっと冷静に

考えてみる必要があるようです。